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【闇が深い話】コンテナの中に見えた人の顔らしきもの

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実体験も交えての話。

 

今から13、4年も前、関西にいた頃、
港湾のコンテナ荷降ろしのバイトに
行っていた時期がある。

 

荷降ろしは文字通り、
コンテナに収められた荷を降ろすこと。

 

コンテナ自体の積み下ろしや、
降ろされた荷を倉庫に収める過程はクレーンや、
フォークリフトなど機械で行われる。

 

でもこの荷降ろしだけは
どうしても人の手で行われなければならない
という、ずいぶんなアナログな仕事である。
 

 

東北の怖い話

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扉口までパンパンに詰まった2トン、
4トンのコンテナから荷を降ろしていくわけだが、
荷は軽いものならわたのようなものが
たまにあるくらいで、大体が飲料物、
家畜の餌など重いものが多い。

1日に降ろすコンテナ2本、3本とあり、
洗剤の箱などに当たった
真夏の炎天下は洗剤粉にまみれて、
もう地獄である。

仕事が過酷だからというだけではなく、
そのバイト先はあまり居心地もよくなかった。

港湾の荷降ろしは、もともと山〇組が
労働者を派遣していた歴史もあって、
そこで働く人たちも気が荒い人が多く、
実際その当時も元極道だったという人が働いていた。

ある日、休憩のあと午後から降ろす
コンテナのところにいくと、その奥を覗いていた
倉庫の主任が降りてきて、フォーク運転手Wさんと
なにやら相談している。

「…どないですか?」

「…うん、おるな。あかんわ、コレ」

午後から降ろす荷である。

そのコンテナは手付かずで
ほぼ天井すれすれ、扉口までパンパンに
荷が詰まっていた。そんな中に一体、
何がいたのだろうか。

倉庫でも強面の二人が黙り込んだままだったので、
私も何も聞かずにいた。結局、
何の説明もないまま、そのコンテナは
扉を閉められ午後の荷降ろしは中止になった。

後日、別の倉庫の社員Yさんに
この件を聞いてみる機会があった。

彼によるとWさんが扉を開けたところ、
何かが動いたのでわずかに
開いた天井の隙間から奥を覗くと、
コンテナの奥の方で天井と荷物に
挟まれるように横になった
顔らしきものが見えたのだという。

荷物に押しつぶされたのか、
歪んでいたが人の顔のようにも見えたそうだ。
動物とか乗ってたんですかと聞くと、
いや、そうやないんやという。

「ほんま時々やけど、こういうの前から
ちょくちょくあったんや。俺も飯食ってたら、
降ろし終った空のコンテナから
片足しかないサラリーマンがピョンピョン
飛び跳ねて出て行きよったの見たことあるし」

Wさんはこれで二回目やと、
Yさんは苦笑いした。そういう場合、
コンテナを空けてもやはり中には何もいないのだ。

コンテナの扉は通常、
リベットのようなシーリングで封印されており、
開ける前はそれを大きなニッパーのような
器具でねじり切らなくてはならない。

コンテナはいずれも海外からやってくるもので、
それらのシーリングは当然向こうを
出るときにつけられたものである。

荷降ろしがすんだあと、
必ずコンテナ内の掃きそうじをするものなのだが、
時おり見たこともない花や虫を見たことはあった。
これらが何にせよ、きっとどこか遠い海の向こうで
まぎれた何かなのだろう。

ある日の帰り際、
隅っこに置かれたままのコンテナが中から
物凄い勢いでガン!ガン!と2回叩かれるのを
聞いたこともあった。

その瞬間、
居合わせた社員全員が固まったまま、
コンテナを見て立ちつくしていたのを
今でも思い出すことがある。

それからその件を誰にも聞かず
私はそこをやめたのだが、
恐らくあのコンテナにはシーリングが
付けっぱなしになっていたに違いない。
 

 

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