廃墟 心霊 まとめちゃんねる

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【ほんのり怖い話】 霊が憑きやすくなる印

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関西で学生をしていて、

盆の帰省で実家がある

関東へと帰る事になった。

 

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貧乏学生だった、私は

格安の深夜バスで

実家を目指しました。

 異変が起き始めたのは

深夜のパーキングエリアだった。


霊感が無い私には

深刻な事態に陥っているとは

予想だにしなかった。

 

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【このお話の特徴】


幽霊や怪奇現象のお話しですが
基本的に「不思議だな!?」や

「今思い出してみると!!」
位の怖さのお話を載せています。

 

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私は去年まで、

親の脛をかじる貧乏学生でした。

 

しかも実家から離れていて、

アルバイトもろくに

出来ないくらい厳しい

学業生活の二重苦。

 

恥ずかしながら、

骨までバリバリむしゃむしゃな

気合いの入った脛かじりでした。

 

余分なお金など

ありゃしません。

 

学費に生活費まで

出してもらっているので、

帰省時の交通費をおおっぴらに、

「新幹線で帰るからさ、

2万くらいちょうだいよ!」

 

なーんて、

口が裂けても言えません…。

 

今は便利な時代、

ネットで夜行バスを

予約すればかなり安く帰れます。

 

盆に年末は短いながら

必ず帰るようにしていたので、
毎回一番安く済むバスを

予約して帰省していました。

 

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すみません、前置きが

長くなってしまいましたね。

 

盆を前にしてそのときも、

四列ぎゅうぎゅうトイレ無し、
ゴワゴワした

ブランケット付きの夜行バスで、


関西から関東目指して、

他の乗客同様、私も狭い座席に

身を縮こめておりました。

 

夜行バスを

利用なさったことのある方なら

わかると思いますが、
こういったバスは2、3時間

置きにサービスエリアに寄って、

トイレ休憩を挟みます。

 

だいたい10分~15分程度

のものですが、トイレのない

バスには特に大事な休憩です。

 

私はそれとは別に、

帰省時に毎回

ご当地キティちゃんを

欲しがる友人がいるので、
サービスエリアには必ず

起き出してバスを

降りていました。

 

そのときもバックを持って降り、

まずはトイレに向かいました。

 

深夜でしたが、

同じように関東へ向かう

夜行バスが何台も駐車場に

停まっているのもあり、
人はそれなりにいます。

 

だから、トイレから

出た私の後ろに、同じく

トイレから出てきた男性が

ついて来ても、なんら

違和感を感じませんでした。

 

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自販機が並ぶ室内に

入ったところで、背後から

沸き立つ異様なプレッシャー

に気がつきました。

 

それと…、臭いです。

 

花火大会の簡易トイレの中

のような、むわっと熱気を

伴った不快な臭い。

 

胃から何かが逆流した気がして、

思わず俯き口を押さえました。

 

私はそこで、さらに

気持ち悪いことに

気がついたんです…。

 

左側の研きあげられた

白い床に写る、私のすぐ後ろに

ピタッと立つ男の姿に。

 

ドッと胃液と冷や汗が

湧きました。

 

背後に立つ人物は、

背の低いずんぐりむっくりな

私より遥かに身長が高く、


床に写る姿を

ちらっと見るかぎりでは、

私の頭頂部を一心に

見つめているようでした。

 

悪いことに自販機コーナーには

誰もいず、お土産物コーナーから

は死角になっていました。

 

緊張で動くことが

出来ず固まっていると、
後ろの自動ドアから

誰かが入ってくる音が

聞こえました。

 

すると背後の気配も

スッと消え、臭いも

遠ざかっていったのです。

 

最後に髪を触られた

感触がしたのですが、
変な男に襲われなくてすんだ

安堵で気にもとめませんでした。

 

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私は休憩時間の終わりが

近づいていたので、

去っていっただろう男を

振り返らず、
慌ててバスに乗り込みました。

 

座席に座ったとき、

またあの不快な臭いがした

記憶があります。

 

そのあとは無事に

目的地につき、さらに

電車を乗り継ぎました。

 

実家に帰ってきた

私をみるなり、母は

「駄目だ、髪切らないと」と、

私の下ろした長い髪を

まとめあげ、かなりの長さを

いきなり切ってしまったんです!

 

私ボー然。

 

でも母が玄関を開け、

外に散らした髪を見て

意味が理解出来ました。

 

私の髪は黒髪なのですが、

外を舞う髪は真っ白だったんです。

 

まだ母の手に残っていた髪は、

まるで埃のようでした。

 

とたん、襲ってくる

あの不快な臭い。

 

サービスエリアで

嗅いだものをより濃縮したような、

強い臭いに襲われました。

 

また背後にあの男が

立っている気がして

ビクビクしていると、
台所に走った母が

塩を持って戻ってくるなり、
頭目掛けて塩を

投げつけてくるではありませんか!

 

鬼の形相で、

「娘に手を出したら承知しない」

だとか、

「誰の子に目ぇつけてんだ、

このドクサレ野郎!」

とか言ってくるので、

本当に怖かったです。

 

やがて塩も尽き、

あの不快な臭いもしなくなると、
母は塩と散った

髪を丁寧に掃き集めて、

庭の隅で燃やしはじめました。

 

その上に髪の毛入り

塩釜でも作るように

追加の塩を盛りながら、

「地獄で高血圧になって死ね」

と呟いていたので、

さらに怖かったです。

 

どうやら私は、

サービスエリアにいたたちの

悪い霊に何故か目をつけられ、
霊が憑きやすくなる印を

髪に付けられたらしいのです。

 

もうすでに何体か

憑いてきていたようですが、
母の鬼気迫る除霊(?)で

事なきを得たみたいです。

 

母には霊感があると、

本人や母方の親類からは

聞いていたんですが、
こんな荒っぽい除霊方法では、

確かに親類がこのことを話すとき
苦笑いになるはずですね…。

 

私が落ち着くと、母は、

「ぽやっとしてるから

あんなろくでなしに

声かけられるんだよ」

と、一緒にゲンコツを

落としました。

 

正直、あんなに怖い思いを

するならもう絶対に

憑かれたくないですよ…。

 

霊体験なんて懲り懲りです。